昨今「デュアルキャリア」がスポーツ界で広まりつつあります。
私がプロアイスホッケー選手と会社員を両立して感じた、デュアルキャリアのメリットは3つあります。
①引退後のキャリア
これが最大のメリットだと思います。
今までは会社の部活として実業団が存在していました。近年は企業活動において、コストカットや合理性が重視されています。
実業団の在り方には限界がありました。そのため様々なスポーツでプロ化が始まりました。
プロ選手は引退後の計画を立てなければなりません。
スポーツ一辺倒の生活では、「キャリアの構築方法」など知る機会はありません。(一部頭の切れるアスリートを除いて)
学生時代に教えてくれる大人は少数です。
アスリートは20代後半〜30代を迎え、やがて引退を迎えます。
その時に元プロアスリートが持っている選択肢はいくつあるでしょうか。
大学を卒業したばかりの新卒・第二新卒に比べ、格段に少ないものです。
デュアルキャリアでは、引退前に職歴を得られるため、不安を解決する手段となります。
職歴がることで、スムーズに業務へ移行できます。基本的なマナーや一般常識を兼ね備えているため、職場の人間関係においても有利に働きます。
②2拠点での人間関係構築
デュアルアスリートは「競技での人間関係」「仕事での人間関係」2つのコミュニティに属しています。
競技の人間関係ではスポンサーやチームメイト、ファンなど。
仕事の人間関係では上司や同僚など。
こうした2つ以上の人間関係を維持する事は、デュアルキャリアがもたらす大きなメリットです。
競技をしているだけでは出会えなかった人、仕事をしているだけでは出会えなかった人、それぞれから情報が得られます。また、さまざまな機会にも恵まれます。
片方が行き詰まった場合でも、もう片方のコミュニティがあることで安心できます。
③人間としてのキャパシティが増える
競技レベルにもよりますが、物事へ取り組むキャパシティは大幅に増えます。
私の場合、競技はプロレベルであるため報酬をいただいています。そのため平日午前はハードに練習をしています。午後から仕事です。
土日は2日間とも試合があり、ホームゲームとアウェイゲームで全国各地を転々とします。
1日休みは8月〜4月のシーズン中ほぼありません。
一方仕事の職種は営業であり、数字を強く意識する仕事です。ノルマがないとはいえ、数字に対するプレッシャーは常にあります。
競技と仕事を両立する毎日は大変ですが、人生におけるキャパシティが一気に広がりました。
「最初に楽をすると後が辛くなる」という言葉は、競技でも勉強でも仕事でも同じだと思います。
競技と仕事の両立のスタートは、若いほど有利です。30代や40代からの就職は可能ですが、さらにその次の転職先に恵まれる可能性は低くなります。
若いほど選択肢に恵まれていますし、両立する体力もあります。また、素直さや柔軟性も兼ね備えています。
物事に対する集中力や行動力のキャパシティを広げられた事は、デュアルキャリアで得られたメリットの1つでした。
以下の記事では「そもそもデュアルキャリアとは何か?」をまとめています。
デュアルキャリアを目指す学生やアスリートの参考になればと思います。